㈱アライ(群馬県高崎市)
学究肌の住まいづくり データと実験で裏づける高断熱
今や住宅にとって、当たり前となった「高気密・高断熱」。群馬県高崎市に本社を構える㈱アライは、約20年も前から高断熱・高気密住宅を手掛けており、現在では新築はもちろん断熱改修にも力を入れている。
同社の新井政広社長は、大学で熱力学や化学を学んだという工務店経営者としては珍しい経歴の持ち主。だが、その知識を生かして学究的に高断熱住宅を追求している。結果、今まで床暖房を導入したことは1回もないというほど快適な家づくりを実践してきた。
夏は外気を利用
新井社長が高気密・高断熱住宅に初めて着手したのは平成2年。翌年「北関東地域住宅開発ネットワーク」に設立と同時に参加、高気密・高断熱とパッシブソーラーを組み合わせた家づくりを研究。15年ほど前にNPO法人新木造住宅技術研究協議会(新住協)の会員となり、現在では同協議会の仕様(図を参照)をベースにアレンジを加えて家づくりを行っている。断熱材はグラスウールを使用し、壁には200㎜厚、屋根には400㎜厚で入れている。
特徴的なのは、夏の暑さに配慮したつくりとなっていることだ。「夏に関してだけは、私のいうことを聞いてもらいます」と新井社長は自信たっぷりに語るが、一体どのような対策を盛り込んでいるのだろうか。
きっかけは1994(平成6)年の夏の出来事だった。記録的な猛暑の中、顧客から「エアコン1台では過ごせないほど暑い」というクレームが舞い込んだ。
原因を調べてみると、風が抜けないという構造上の問題があることが判明。そこで、新井社長は夏の暑さ対策や木造住宅の熱容量についての研究を開始。地元の気候を知るために気象庁からデータを取り寄せて分析し、群馬名物「蚕の養殖」に使用する養室からもヒントを得た。翌年には実験を行い、徹底した遮蔽と夜間の換気・通風が重要であることを掴んだ。

