【ショールーム特集】大建工業㈱ DAIKEN名古屋ショールーム 音環境を配慮した自宅の小部屋で在宅勤務 畳の悩みを解決へつなげる「和紙畳」も
新型コロナウイルスの5類移行から外出が多くなり、景気が緩やかに回復してきています。一方で、コロナ禍を経てからは、家の中での過ごし方が見直されました。新築やリフォームのときに使う壁材や床材などの建築材料(以下、建材)選びはオンラインやリモートでも行なえますが、やはり実物を見て触れて選びたいもの。このページでは大建工業㈱の建材が多数取り揃えられているDAIKEN名古屋ショールーム(以下、名古屋ショールーム)の一部を抜粋して紹介します。
名古屋ショールームは名古屋駅から徒歩5分の商業ビル「大名古屋ビルヂング」の13階にあります。ショールーム入り口にはコンセプトに合わせて作ったいくつかの空間展示があり、「友達と楽しく過ごしたい」というコンセプトでは、室内空間に友達と座れる「縁側」のような畳の空間を設けています。ここでいうコンセプトとは、自分の持っている理想の「暮らし像」といえます。これをもとに実物の建材を見て、触れて、体感していけば、空間のイメージを拡げることができるでしょう。
「音」への気疲れ解消に
(写真1)
さて、コロナ禍を経て変わったことのひとつが在宅勤務です。重要な話し合いの場である会議に神経を張りつめて参加したものの、自宅から子どもなど家族の声が聞こえれば、それが先方にも漏れているのではないかと気を遣ってしまいがちです。あるいは自分の声が家族に聞こえてしまう悩みを抱えている人もいるでしょう。これでは仕事に集中できません。そこで、体感しておきたいのが音環境に配慮した小部屋「サウンドマルチルーム」(写真1)です。「音環境」は大建工業の得意分野ですが、同社ショールームの中でも名古屋ショールームが先陣を切って設置しました。
通常の小部屋と異なる点が、使われている建材です。壁や天井には音を吸収する吸音性能のある製品が採用されており、その一部として天井材には音の反響を抑えて声や音を聞き取りやすくする「クリアトーン」が使われています(関連コラムは文末)。反響音の極端な例が浴室にいるときに聞かれる音の響き方です。居室空間でのリモート会議で浴室ほど音が響くことはありませんが、同じ理屈で音が室内で反射すると、その人の発言内容が聞き取りづらくなるとされています。そこで「クリアトーン」では音を吸収してくれる吸音性能があるため、室内の音環境を整えてくれます。
また、入り口には「ハピア音配慮引き戸」を採用。通常の引き戸では戸を閉めても壁と戸の間や、戸の上部・下部に隙間ができてしまうところ、「パッキン」というゴム材でその隙間を埋めています。つまり、「サウンドマルチルーム」では音が部屋の外に漏れないよう、空間を密閉できるよう配慮しているのです。実際に担当者は「(空間の)気密性能が高いので、換気経路を必ず取らなければなりません」と話します。
名古屋ショールームでは楽器演奏などに配慮した「防音室」も体感できますが、「サウンドマルチルーム」と比べれば防音性能が一段と高くなります。「防音室」と「通常の空間」の中間に位置するのが「サウンドマルチルーム」といえるでしょう。在宅勤務で「特に悩んでいない」という方も一度体感してみることをおすすめします。
水濡れや擦れに強い畳
(写真2)
在宅勤務の部屋のように今までに無かった部屋を新設するだけではなく、既存の部屋をアップグレードするのもおすすめです。選択肢のひとつとしては、イ草畳から「DAIKEN和紙畳」(写真2)への置き換えが挙げられます。昔からあるスタンダートな畳にはイ草が使われており、擦れると表面がささくれてしまったり、掃除を怠るとノミやダニの温床になったりしてしまいます。イ草畳にも特有の香りなど良い点がありますが、共働き世帯がほとんどの昨今、「手間がかかる」という理由で悩んでいる、または新築の際、畳部屋の採用を諦めている方もいるのではないでしょうか。
「DAIKEN和紙畳」はイ草の畳と比べて約3倍の耐久性を持っています。これは和紙をこよりにして、そのこより1本1本に表面加工を施してから編み込んでいるためです。また、編みの作業工程を工夫することにより、通常の畳とは異なる編目模様が実現できるほか、豊富なカラーラインアップも特長の1つです。例えば藍色や薄桜色、銀鼠色などの畳にすることもできるのです。ちなみに担当者によると人気なのは「小波」柄と「灰桜色」の組み合わせといいます。
多種多様なドア・床用意
(写真3)
(写真4)
最後にフローリングや内装ドアが見て選べるエリアを紹介します(写真3)。壁一面に様々な種類のドアが格納されており、それぞれを引き出すことができます(写真4)。さらに床面にも様々な種類の床材が敷き込まれており写真3から向かって反対側にも持ち運び可能なあらゆる種類の床材サンプルが棚に格納されています。
担当者は最近のトレンドについて「異素材同士の組み合わせ」と話しています。例えば大理石調の床に対して木目模様のドアを組み合わせるなどの方法です。しかし、質感などは実物を見ない限り分かりません。そこでドアと床材の組み合わせを見て、触れて、体感できるこのエリアが役立ちます。このほか、ドアのレバーハンドルも複数種類用意されており、これについては「黒のアイアン素材をポイントで使う」手法が今のトレンドといいます。
今回紹介したのは名古屋ショールームのごく一部です。世の中のテクノロジーが進化していくのと同じように、建材も日々進化を遂げています。中には見た目だけでは分からない「使い心地」が格段に向上しているケースもあるのです。新築やリフォームを本格的に検討する前に、自分や家族がどのような暮らしに変えていきたいのか、そのイメージを拡げるためにも名古屋ショールームを活用してみると良いでしょう。
=TOPIC=天井材の「クリアトーン」は音だけではなく臭いも吸収
本文で紹介した吸音材「クリアトーン」は音を吸収するだけではなく、調湿機能や臭いの吸着機能を備えたタイプもあります。名古屋ショールームでは実際にそれら機能が体感できる仕掛けを用意。このうち、臭いの吸着機能を体感する仕掛けでは2種類のプラスチックボトルを用意。片方にはコーヒー豆を。もう片方にはコーヒー豆とクリアトーンを入れています。両者を嗅ぎ分けて、クリアトーンがどれほど臭いを吸収しているのか比較するというわけです。筆者が実際に体感してみると、確かにコーヒー豆の臭いの強さには明確な違いがありました。来場の際にはこのような展示も体感してみましょう。
DAIKEN名古屋ショールーム
【住所】〒450-6413
名古屋市中村区名駅3丁目28-12
大名古屋ビルヂング13階
【TEL】052-582-5700
【FAX】052-582-5711
【営業時間】10:00~17:00
【休館日】水曜日(ただし、祝日の水曜日は開館)、夏期、年末・年始
【日本住宅新聞ユーザー版2024年2月25日号より一部抜粋】