BESSを展開するアールシーコア 再塗装技術「リオペーク」特許取得

木造建築物は耐久性の観点から、屋外木部に対して塗装等定期的なメンテナンスが必要となっている。こうした中、ログハウスブランド「BESS」を展開する㈱アールシーコアは、屋外木部の再塗装において既存塗料の残留物等を除去する必要がない施工技術「リオペーク」を開発して特許を取得したことを5月30日に発表した。
従来の工程では再塗装の際、既存塗料を除去するためのケレン作業やブラスト処理が不可欠だった。また状況により、剥離剤を使用する場合もあった。ケレン作業やブラスト処理では粉塵や騒音が発生するという難点と、一定程度の費用・労力を伴う。剥離剤を使用する場合には、環境上好ましくない物質を含む場合があり、使用後の回収や廃棄処理が必要だ。
これに対し、同社の「リオペーク」は、ケレン作業・ブラスト処理・剥離剤使用を行わず、既存塗料を除去せずに、耐久性の高い再塗装を実現することが可能。この「リオペーク」により、再塗装時の費用・労力軽減と環境負荷の抑制を実現した。
既存塗膜の上からリオペークを塗布することで、リオペークが既存塗膜下の木部劣化層まで浸透し、木部劣化層と一体化し樹脂層を形成する(=ウレタン結合)。このウレタン結合により木部劣化層を補強して既存塗膜の密着性を強化することで強固な塗膜となり、再塗装の下地を形成。そのため、リオペークを塗布した上に再塗装をすると、木部劣化層の剥離もなく、耐久性が高まる。
「リオペーク」で用いるBESSオリジナル下地処理剤は、環境・人にやさしい機能性のある塗料を開発するキャピタルペイント㈱の協力により商品化を実現した。アールシーコアは、木造建築におけるメンテナンスの手間・費用を軽減しつつ環境負荷を抑え、政府が推進する木材利用促進を後押しするとしている。
【日本住宅新聞2025年6月25日号より一部抜粋】
画像:リオペーク施工後、耐久性とともに、美しく再塗装