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ニチコン 新型トライブリッド蓄電システム発表 電気代高騰対策の切り札は「家産家消」

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 ニチコン㈱(京都市)はトライブリッド蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」の第三世代モデルを発表した。今年の秋に発売予定としている。
 トライブリッド蓄電システムとは、太陽光発電で得た電気を蓄電池とEV電池で最大限活用し、電気代の最小化を目指すシステムだ。
 第三世代モデルの特長は業界最大級という9・9kWの出力だ。出力はバッテリーから一度に取り出せる電気の量を表す。数値が大きいほど一度に多くの家電機器が使える。
 また、全負荷タイプであるため、停電時にも家全体で普段と変わらずに電気が使えるメリットもある。停電時であっても200Vの家電に対応するためIHクッキングヒーターや、エアコンなどの機器を使うことも可能だ。真夏の屋内避難は熱中症のリスクが高まるとの指摘もあるが、エアコンが使えればこのリスクを軽減させることにもつながる。
 最近は電気代が高騰している上に自家発電で余った電力を売る「売電価格」が低下傾向にある。自家発電で得た電力は売電するよりも自家消費した方が良いケースもある。
 その一例としてEVの活用が挙げられる。ガソリン代も高騰している昨今、自家発電した電気がEVに使えれば家計の負担軽減につなげられる。
 また、蓄電池がない場合、太陽光パネルが発電する時間帯は日が出ている時間だけであるため、主にEVを使う昼間には充電できない時間が多い。同システムであれば、昼間に発電した電気を蓄電池に溜めておき、日が落ちてからEVに充電できる。
 また、出力が9・9kWであることから、2kWの普通充電器と比較して約3倍のスピードで充電が可能だ。
 近年は激甚化・頻発化する自然災害により、電力インフラが停止するリスクも上昇している。その際は電力を溜めておく蓄電池が役に立つが、同システムは電気を効率よく移動できる仕組み「エレムーブ」を備える。なお、同システムは送電損失が少ない直流(DC)でコントロールされている。
 エレムーブにより、太陽光発電で得た電気をEVの蓄電池と自宅の蓄電池に溜めておき、停電した際には両方の蓄電池から自宅に電気が送れる。もし自宅とEVの蓄電池が空になれば、再び太陽光発電から電気を得れば良いため、非常時の自宅内避難にも役立つ。
 同社NECST(ネクスト)事業本部エネルギーソリューショングループ蓄電システムビジネスユニット長の戸成秀道氏は同システムの特長について「(太陽光発電で)電気を作って、それを売電することなく、しっかりと家の中もしくは車で使っていただく」点であると総括し、このことを「家産家消」という言葉を使って表現していると話した。

【日本住宅新聞2025年2月25日号より一部抜粋】
画像:新製品発表会に登壇する森克彦社長

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