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タカラスタンダード「家事らくリフォーム作品コンテスト」 家事らく+αのキッチン提案は和とモダン調和する空間美

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 システムキッチン・バスを中心とした住宅設備機器メーカーのタカラスタンダード㈱(大阪市)は、リフォーム需要の掘り起こしを目的に実施している「家事らくリフォーム作品コンテスト」の表彰式を2月20日に大阪市内で開催した。
 コンテストでは以下の5点を評価基準とした。第一に建主の思いを実現し悩みを解決しているか、第二に建主の夢を広げるプラスアルファの提案があるか、第三に空間全体をコーディネートできているか、第四に費用と出来栄えのバランスは取れているか、第五に「家事をらくに楽しく」というコンセプトを実現できているか。
 選考はキッチン&リビング部門、浴室&サニタリー部門、エマウォール部門の3部門にて行い、それぞれ「全国最優秀賞」1作品、「全国優秀賞」2作品ずつの合計9作品を選出した。本稿ではキッチン&リビング部門の全国最優秀賞にフォーカスする。キッチン・ダイニング空間は家族が集まる生活の「中心地」であるほか、間取りや設備、デザインなど検討事項が比較的多いためだ。
 キッチン&リビング部門で全国最優秀賞を受賞したのは新築やリフォームを手がける工務店の㈲青木住巧(愛媛県松山市)。受賞した物件は瓦屋根と広い玄関、神棚のある和室と昔ながらの木造建築らしい特長を残す建物という。
 キッチン・ダイニング空間には勝手口があり、家族や近所の人々が「自然と集まる場所」(青木英章代表取締役)だった。また同物件の新築を手がけたのは青木代表の父である同社現会長。「世代を超えたリノベーション」が実現したと青木代表は振り返る。
 今回のリノベーションでは昔ながらの空間にアイランド型のシステムキッチン「レミュー」と無垢のウォールナットフローリング、間接照明が映えるスギ材の下がり天井を設置するなどモダンデザインを融合させた。
 キッチンをアイランド型とした決め手は、来訪者とキッチンに立つ人の動線が被らないことや、妻と娘が一緒にキッチンに立っていてもストレスがないことなど。建主の要望を引き出した上での提案に加え、長年の関係性を理解した上でのプラスアルファの提案が功を奏した。
 「レミュー」はタカラスタンダードの最高級モデルだ。建主は費用よりもキッチンに立つ自身が今後納得できるかどうかを重視した。
 キッチンデザインは黒を基調とし、なかでもクォーツストーンのワークトップが建主から好評だったという。そんな空間をスギ材の下がり天井が間接照明とともに演出する。
 またキッチン・ダイニングには和室が隣接している。これら2つの空間をひとつの広々とした空間に作り変えるため、ガラス戸や間仕切り壁を取り払う工事も行った。料理をする人がアイランドキッチンに立つと、正面にはダイニングを挟んで和室がつながる空間であるため、開放感が感じられる大空間となった。
 テレビが大好きという建主の要望に応えるべく、ダイニング空間に加え、キッチンの正面にあたる和室壁面にも大型のテレビを新たに設置した。
 青木代表は「ご家族が日々生活する中で、一番大切な空間をお任せいただけたことが、何よりの喜びだ」と話し、「そこに集まる人たちが笑顔になった点に今回のリノベーションの結果が詰まっていたかと思う」と振り返った。
 「家事らくリフォーム作品コンテスト」は、今後成長が見込まれるリフォーム市場活性化を見据え、リフォームコンテンツ強化策の一環として、2018年から開催している。
 タカラスタンダードは「(リフォームは)生活が制限されるために心理的なハードルが高い」と指摘しており、実際のリフォーム事例を集めることで建主がリフォームに対してもつ心証を軌道修正する目的もある。
 開催は今回で6回目を迎え、応募総数は過去最高の2105点。初の2000点超えとなった。これは初年度比約6倍、また過去最高だった昨年比でも約1・4倍の結果となった。
 同社専務執行役員・営業本部の野口俊明部長は応募作品全体の傾向について「皆様の作品は年々素晴らしくなっている。特筆すべきは顧客の声が反映されている点だ。顧客の要望に沿って、その先に生活する人々の笑顔が浮かぶような作品が多いという印象だった」と笑みを浮かべた。

【日本住宅新聞2025年3月5日号より一部抜粋】
画像:右:㈲青木住巧青木英章代表取締役、左:タカラスタンダード専務執行役員・営業本部野口俊明部長

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