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中国木材 森林J―クレジットを広島銀行へ販売

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 国内製材会社最大手の中国木材㈱は5月28日、自社社有林で創出した森林由来のJ―クレジット800t―CO2を広島銀行に販売、譲渡式を開催した。地球温暖化抑制と持続可能な森林活用に向けた企業間連携の事例として注目すべき取り組みといえそうだ。

 J―クレジットとは、省エネ設備導入や再生可能エネルギー利用、森林管理によるCO2排出削減量や吸収量を「クレジット」として認証する制度。経済産業省・環境省・農林水産省が運営しており、再生可能エネルギー、省エネルギー、森林吸収などを由来とする種別を持つ。

 創出されたJ―クレジットは他社に売却・譲渡が可能。販売側は「売却益」の他、「環境対策」のPRが、購入側は「森林保全への貢献や自社排出CO2を削減計算(オフセット)できる」などのメリットが存在する。

 今回中国木材が販売したのは、2023年4月1日~2024年3月31日の期間、熊本県五木村にある同社社有林262haで創出した森林由来のJ―クレジット1653t―CO2のうちの800t―CO2。この売却代金を活用し、同社はレーザー計測機などの先端技術を導入、林業のデジタルトランスフォーメーションを加速するとしている。また、苗会社経営を進め、持続可能な森林経営を通じてSDGs推進と地域林業の活性化を目指す。

 中国木材は今回の森林J―クレジットの収益について、「森林整備に充て、地域林業の活性化、間伐による生物多様性の向上、森林の水源涵養機能の強化に取り組む。また、熊本県五木村の社有林だけではなく、続けて奈良県、山口県、広島県の社有林でも、森林J―クレジット創出に向けた準備を進めていく」とする。

 広島銀行は「この購入の目的は、中山間地域をはじめとする郷土の豊かな自然環境の保全を図るとともに、将来の世代へより良く引き継いでいくための取り組みに貢献すること。購入した森林由来J―クレジットは、ひろぎんホールディングスにおける2030年度のスコープ1・2排出量のカーボンニュートラル目標達成を見据え、将来の自社活用を予定している」と説明。地域総合サービスグループとして、社会・環境課題の解決と持続的成長を推進していくとした。

【日本住宅新聞2025年6月5日号より一部抜粋】

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