最高売上更新も利益減 来期は改修と効率化に注力

YKK AP㈱(東京都千代田区)は3月5日、2024年度の業績と、2025年の事業方針を東京都内で発表した。2024年度の業績は売上高が5624億円(前年比104・5%)と4年連続で過去最高を更新する見込みだ。
営業利益は、資材価格の高騰や販管費などの増加を、価格改定や製造コストダウンなどで吸収できず、164億円(前年比64・2%)。売上高営業利益率2・9%と前年に対して増収減益を見込んでいる。
魚津彰代表取締役社長は現状の課題について「収益が出やすい体制をつくる構造改革に着手することだ」とした。
2025年度の計画は「リフォーム・改装分野へのシフト」および「素材構成・製造供給体制の最適化」に取り組むことで、国内事業の変革を促進する。海外におけるさらなる事業成長を見据え、海外構成比の拡大も目指す。魚津社長は海外市場を「まだまだ伸びる市場」と指摘する。
具体的にはリフォーム向けの商品を拡充する。2025年上半期には既存物件への対応力を強化する狙いから新製品を投入する。さらに、供給体制の最適化にはデジタル・ロボット技術を活用する。具体例としてはAPW樹脂窓を生産する六甲窓工場において、設備自律化などによる樹脂窓ラインの夜間無人化が挙げられる。
また、アルミサッシが樹脂や複合、木製へとシフトしている現状に対してエクステリア分野に注力することでアルミ生産量を拡大する。
【日本住宅新聞2025年3月15日号より一部抜粋】
画像:魚津彰代表取締役社長