日本繊維板工業会 70周年へ向けた展望 木質ボードの可能性を探る

日本繊維板工業会は5月20日、定時総会に伴う懇親パーティーを開催した。工業会には製品歩止まりが高く、未利用材が活用できる木質ボード産業を手掛ける会員各社が加盟している。冒頭、億田正則会長(大建工業㈱代表取締役・社長執行役員CEO)は再任の挨拶を述べた後に、工業会が来年70周年を迎える旨に言及。現在、記念事業を企画していると明かした。
また、億田会長は建築廃木材が未利用資源に位置づけられる現状について異を唱え、「工業会の各メンバーが(木質廃材を)マテリアル利用しているということを強調したい」と訴えた。木質ボードは木材に貯蔵された炭素を固定化したまま再利用できる。
その後、吉岡成充副会長(ニチハ㈱代表取締役社長)が挨拶。現在のビジネス環境について、資材価格や物流コストの高騰によって不透明感が増していると指摘し、今年に入ってからは、予測困難な政治的要因も影響していると言及した。
こうした環境下で企業は新たな事業機会を模索する必要がある一方、建築関連だけでなく、自動車装備品や土木工事など多用途に活用されている木質ボードについて「既存の商材や商品にとって代わる機会が多くなってきているのではないか」と話した。最後に「木質ボードの新たな可能性を探して、自らフォローの風を巻き起こしたい」と期待を述べた。
日本繊維板工業会は、 木質ボードの製造に携わる組織で形成されており、1957年に設立された。品質の良い木質ボードの普及によって業界の安全性維持に取組んでいる。
【日本住宅新聞2025年6月5日号より一部抜粋】
画像:億田正則会長