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YKK AP実証実験 ガラス型ペロブスカイト太陽電池  内窓と外窓の発電データを比較

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 YKK AP㈱(東京都千代田区)は、建材一体型太陽光発電(BIPV)の社会実装に向けた技術開発の一環として東京都大田区の羽田イノベーションシティ内に実証実験ラボとして羽田建材一体型太陽光発電実証実験ラボ「HANEDA ZERO BOX」を設置した。4月25日~2025年10月20日の約半年間、実証実験を行う予定だ。

 今回の実証実験ではペロブスカイト太陽電池を外窓と内窓に設置し、同じ環境下でその発電データを比較する。また、ガラス型ペロブスカイト太陽電池だけでなく、多結晶シリコンおよび単結晶シリコンの太陽電池も設置することで、シリコン太陽電池とペロブスカイト太陽電池の発電比較や、垂直設置と屋根上発電の場合の発電比較なども実施する。

 ガラス型ペロブスカイト太陽電池については透過率ごとの違いも比較する。シリコン太陽電池と異なり、窓での採用を想定するため、ある程度の透過性が求められる。ペロブスカイト太陽電池の層をレーザーで削っていくことで透過率が上がり、窓が透明になっていくが、同時に発電効率も落ちていく。発電効率を維持しながら、より透明度の高いデザインを実現するために透過率ごとのデータが必要となる。

 社会実装の際には既存ビルの内窓としてガラス型太陽電池を採用する点を同社は強調する。断熱と創エネが両立できるほか、室内からメンテナンスできる点にも強みがある。

 同社は㈱関電工(東京都港区)と5月24日に業務提携を開始。窓や壁面を再エネに活用するBIPVの開発を進めてきた。これまで行った実証実験としては周囲をビルに囲まれた環境下における内窓発電データの取得や、積雪条件下における垂直設置の有効性の確認などが挙げられる。

 これまでの実証実験は一般公開していたが、今回はデータ採取に特化する方針であるため非公開としている。同社は断熱窓の分野において創エネにかかる発電の要素も付加価値に加えることで、カーボンニュートラルの実現に貢献していく。

【日本住宅新聞2025年5月25日号より一部抜粋】
画像:羽田建材一体型太陽光発電実証実験ラボ

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