大建工業 初の断熱材 防音・断熱両立の吸音ウール

音響市場に強みを持つ大建工業㈱(大阪市)は、断熱と吸音の機能を兼ね備えた壁・天井用の「断熱吸音ウールR」と床用の「断熱吸音ウールB」を6月23日に発売する。同社が断熱材を取り扱うのは初となる。
従来、木造住宅の防音室設計では、断熱材とは別に吸音材が必要なため、壁厚や床高が増し空間が狭くなる課題があった。そこで同製品では、断熱と吸音性能を同時に確保しながら、部屋の空間を広く取れるようにする。
同社は今後の動向予測について「(防音室の設置において)吸音ウールに加えて高い断熱性能を有する断熱材を用いる場面が増加し、壁厚や床高がさらに増すことで防音室内が狭くなるケース」が想定されるとし、今回の製品開発の背景について説明する。
熱抵抗値は「断熱吸音ウールR」が2・7㎡・K/W、「断熱吸音ウールB」が2・4㎡・K/W。これにより、「断熱吸音ウールR」は省エネ地域区分3~7地域、「断熱吸音ウールB」は4~7地域において、省エネ基準、誘導基準に求められる断熱材性能を確保する。なお、吸音性能についてはすでに販売している「吸音ウール」と同等以上としている。
また、国土交通大臣認定を様々な構造・外装材・構造面材・内装材の組み合わせで取得しているため、防火構造・準耐火構造が求められる様々な地域においても、広く対応が可能だ。
大建工業は吸音天井や防音ドアなど、様々な建築音響製品の開発・製造・販売を手掛ける「音響事業」を1982年から展開してきた。特に住宅分野では、ホームシアターや楽器の演奏、在宅ワークなど様々な用途に応じた防音室を、音の測定から設計、提案まで行うことを強みとしている。
【日本住宅新聞2025年5月15日号より一部抜粋】
画像:「断熱吸音ウールR」