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「大規模修繕・模様替え」対象確認を

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 令和7年4月に改正される建築基準法の改正は、屋根や外壁のリフォームに関して業界に影響を与えることが予想される。その理由として挙げられるのが、新2号建築物の存在だ。今まで4号建築物だったもののうち、2階建ての物件は来年4月から新2号建築物に分類。具体的には新築・増築・改築・移転のほか、今後は大規模な修繕・大規模な模様替えの際、確認申請が求められるようになる方針だ。
 特に注意が必要となるのが、新2号建築物の「大規模な修繕」や「大規模な模様替え」。これについて同省は、「修繕・模様替えする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり修繕・模様替えすること」と定義する。
 主要構造部のひとつである屋根や外壁について同省は今年2月、建築基準法上の取扱いの判断を提示。屋根については「屋根ふき材の改修を行うことで屋根を構成する全ての材を改修することになる場合、その改修部分の見付面積が過半であれば、大規模の修繕又は大規模の模様替えに該当する」としている。
 具体的には野地板を2分の1以上剥がす場合は建築確認申請の対象となる見込みだ。一方で「屋根ふき材のみの改修を行う行為」、「既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせるようないわゆるカバー工法による改修」は、大規模の模様替えには該当しないとしている。
 「下地をいじらない改修や、修繕する部分が全体の過半数を超えない場合は大規模修繕や模様替えに該当しない。「屋根の形状を変えたり下地まで替えたりする葺き替えは大規模な修繕・模様替えに該当する可能性がある」ということを念頭においておくとよいだろう。
 なお、屋根のカバー工法によるリフォームは多くのメリットがあるアプローチといえるが、一方で建物の重量増加につながってしまう可能性も。また下地が傷んでいた場合、これを修繕せず同工法を行うことは屋根そのものの耐久性に問題が生じるおそれが懸念される。建築確認申請の対象ではないから、と安易な気持ちで提案せず、かならず現場の調査を行った上での最適案を示したい。
 外壁では「外壁の外装材のみの改修等を行う行為、又は外壁の内側から断熱改修等を行う行為」、「既存の外壁に新しい仕上材をかぶせるような工法による改修等を行う行為」については「該当しない」方針だ。その一方で外壁の外装材のみの改修等を行う行為であったとしても、当該行為が外壁の全てを改修することに該当する場合は、「この限りでない」としている。
 今回の改正法の施行は来年4月以降の着工分から適用されるが、当然手続きには時間を要することが予測される。申請の準備や審査を含めて工事スケジュールに余裕を持つことが重要だ。
 確認申請が必要な工事でも、大規模な修繕・大規模な模様替えについては省エネ基準への対応は問われないので確認しておこう。計画やアプローチが進行中の案件には特に注意が必要といえる。
 なお、今号の電子版EJエネでもこの問題について取り上げているので、併せてご確認頂ければ幸甚だ。

【国土交通省】
木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について 【令和6年10月3日時点】
プレゼンテーションタイトル

【日本住宅新聞12月15・25日合併号より一部抜粋】

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