地盤に留意を

国土交通省国土技術政策総合研究所と国立研究開発法人建築研究所は2月14日、令和6年能登半島地震による建築物の基礎・地盤被害に関する現地調査報告(速報)をホームページで公開した。同調査は地震による建築物基礎・地盤の被害のうち、特に甚大な被害のあった石川県金沢市、内灘町・かほく市および輪島市の被害の様相を把握するためのもの。国土交通省住宅局建築指導課および参事官(建築企画担当)付ならびに石川県の要請を踏まえて、現地調査を行った。
なお、本調査報告における被害状況に係る記述は、現時点の学術的な調査によるものであり、各自治体が発行する罹災証明における全壊や半壊の判断等には関係しない。
調査から得られた知見として、金沢市田上新町の造成宅地の斜面崩壊が確認されたエリアでは、当該造成宅地における外周道路から外側で、斜面の下方に向かって住宅が大きく移動していたことを紹介。同地では外周道路の内側に隣接する住宅の基礎の立ち上がり部や、その敷地境界にあるブロック塀には、斜面の下方に開く方向にひび割れが生じていた。
調査で斜面崩壊エリアは1960年代は自然地山の斜面地であったこと、机上調査より、土を切り取って低くし、平らな敷地を造成した切土地であることが確認されたことなどを報告。その上で「現地調査では、外周道路の下部地盤は灰色の粘土質地盤、外周道路の外側に建つ住宅の下部地盤は茶色の砂質地盤であるように見受けられた」と説明している。
どんなに地震に強い強固な住まいを建てたとしても、足元の地盤が斜面崩壊を起こしてしまっては無意味となってしまう。あたりまえのことではあるが、住まいづくりにおける大前提として、まずは強固な地盤かどうかを確認するよう心掛けることが重要だ。
日本住宅新聞2月25日号より一部抜粋