エヌ・シー・エヌ 新たなSE構法6月発売 階高は最高6mへ

㈱エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)は自由な空間デザインと高い耐震性能を両立する木造建築技術「SE構法」の新バージョン「SE構法Ver3」を6月1日に発売する。SE構法の施工資格をもつ登録施工店に対しては5月から説明会を実施していく予定だ。
同社は4月1日付で(一財)日本建築センターによる構造評定を取得した。新しいSE構法では建物の適用範囲が軒高さ20mから25mへ、最高高さ24mから30mへ、階高4・5mから6mへと拡大した。非住宅建築物では設備や什器などを設置するために高い階高などが求められやすいが、今回の評定取得によってこのような建築物への対応力も強化された形だ。
開発背景には大型木造建築物へのニーズ増大や基準法改正による設計・デザインへの影響などがあった。これらへの対応に加えて田鎖郁男代表取締役社長は「性能を良くして設計しやすくしても、インフレの中でコストを上昇させたのでは意味がない」として、工務店のコスト負担が増えないような開発を指示し、発表に至った。
標準ラインナップに追加された180mm幅の集成材と150角以上に対応する高耐力柱脚金物の開発によって従来品に比べて短期引張力が2・2倍向上した。180mmの集成材に対応できるプレカット工場は全国に9箇所構えており全国での対応が可能になる整備が完了している。
構造用耐力壁には100%木質廃棄物を原料とする構造用パーティクルボード「G-BOARD」を標準採用する。製造はSuMPO EPDを取得した東京ボード工業(東京都江東区)の佐倉工場(千葉県佐倉市)が担う。
G-BOARDの性能を発揮するためには径を太くしスクリュー形状を施した新開発の「TN釘」を使う。従来のCN50釘と同様に釘打ち機での施工が可能だ。
G-BOARDとTN釘を使えば壁倍率換算で11・7倍に相当する短期許容耐力が発揮できるほか、必要な面材の枚数も減らすことができるため、空間設計の自由度が向上する。
SE金物もスリムかつ軽くなった。金物巾は77 mmから61 mmへと小さくなったほかJB3金物の重量は4・6kgから3・95 kgへと減少した。
最後に田鎖社長は「技術開発を通して工務店、ハウスメーカーの困難を支援し、木造業界をしっかりと支えていく」と語った。
【日本住宅新聞2025年4月25日・5月5日合併号より一部抜粋】
画像:構造用パーティクルボード「G-BOARD」